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関西イノベーション国際戦略総合特区とは:特区の事例

規制の特例措置の事例

けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK) : 国有財産法の特例

けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)は、平成22年に閉館した「私のしごと館」の施設設備を活用し、国際的なオープンイノベーションの拠点として再生するため、平成26年4月、総合特別区域法に基づいて、国から京都府が無償で譲り受けました。同センターでは、関西イノベーション国際戦略総合特区の中核として、また、日本の成長を支えるオープンイノベーションの拠点として、健康・医療、エネルギー・ICT、農業・食糧、文化・教育などの分野における最先端の研究開発の集積に取り組んでいます。

関西国際空港 : 医薬品の薬監証明の電子化

世界的に通関手続きの電子化が進む中、海外から未承認の医薬品や医療機器などを輸入する際に必要となる法に基づく薬監証明の手続きは紙ベースで行われていました。この課題を解決するため、関西国際空港地域拠点協議会の提案で特区としての規制緩和が実現。関西国際空港において、日本初となる薬監証明手続きの電子化実証実験を2013年から2014年にかけて実施し、実験の結果、紙ベースの手続きでは1週間ほどかかっていた証明書の発行が、最短で5分程度にまで短縮されました。この実績が高く評価され、2015年、医薬品等に関する法律上の輸入手続きが全国的に電子化されました。

税制上の支援措置の事例

日本新薬株式会社

同社は、次世代の医薬品として海外でも注目を集める核酸医薬の開発の歴史が長く、高度な核酸合成技術を有しています。2016年に抗がん剤などの高生理活性物質や核酸医薬を対象とした治験原薬の製造が可能な治験原薬製造棟を建設するなど、総合特区の税制支援を活用して研究開発設備等を整備し、いまだ有効な治療薬がない難病や、世界的にも患者数が少ない希少疾患の医薬品の研究を加速させています。

住友商事株式会社

2013年着手の「再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業」は、変動の大きい再生可能エネルギーの供給電力を安定化する手段として、電気自動車の使用済みリチウムイオン電池を再利用した蓄電池システムを開発し、制御技術や安全運用の手法を確立する事業です。税制支援で設備投資のコストを抑制し、また、同地区内にあるバッテリー戦略推進センターの助言を受け、世界的にも前例のない事業モデルに挑戦しました。
この事業の実証成果は、事業者である同社を通じて、鹿児島県甑島「みらいの島」共同プロジェクトや長崎県の「みらいの工場」でのバーチャルパワープラント構築実証事業等に活かされています。

財政上の支援措置の事例

株式会社OMこうべ

同社は創薬ベンチャーなどからのウェットラボ(装置や薬品を使って物理・化学の実験を行う研究室)の需要に対応するために、神戸医療産業都市内に新たなレンタルラボ施設を開設しました。同都市では既に、350以上の医療関連企業や大学、研究機関などの集積が進み、日本最大級のバイオメディカルクラスターに成長している一方で、レンタルラボ施設の不足が深刻な状況となり、企業向けのウェットラボの確保が喫緊の課題でした。そこで、「創薬イノベーション拠点整備事業」として新たなレンタルラボ施設を開設するために、経済産業省の「地域新成長産業創出促進事業費補助金(戦略産業支援のための基盤整備事業)」を基に「総合特区推進調整費」を活用して整備しました。

金融上の支援措置の事例

株式会社ジーンデザイン

同社は、次世代医薬品として期待される核酸医薬の研究開発に取り組んでおり、核酸医薬の原料の製造や高機能化をはじめ、核酸医薬の診断薬の素材や製法などを開発し、国内外の製薬企業やベンチャー企業に提供しています。第1回の総合特区計画で認定され、金融支援と税制支援を受けて、2013年に国内初の核酸医薬に関する研究センターである「核酸医薬CMC研究センター」を彩都ライフサイエンスパーク内に建設しました。また、2019年に世界最大規模のオリゴ核酸の開発・生産拠点として「核酸医薬APIセンター」を開設し、今後増えると予想される核酸医薬品の需要に応えることができるものと期待されています。